最近聞くレジリエンスという言葉、ビジネスに限らずあらゆる困難に直面した時に上手く乗り切る方法と言い換えることもできます。
じゃあ鍛えた方がいいの? でもどうやればいいの? という方のために記事にまとめてみました。
Contents
レジリエンスとは何か?
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レジリエンスとは「困難な状況にも適応してゆく能力」、「しなやかな回復力」もしくは「強靭性」ということです。
「ストレス」と同じように、心理学用語になる前はもともと物理学用語でした。
社会人であれば生活の中で様々な困難に直面すると思います。
そんな時にトラウマ(やPTSD)としてネガティヴにためこんでゆくのではなく、前向きに自分の成長の糧として消化してゆけるような状態のことなのです。
これがないから弱い、ということではなくストレスや困難・危機などからの回復がいかに自然で早いかもしくはダメージとしてとらえずに前向きに処理できるかということでもあります。
たとえ話でいうなら、しっかりと柔軟体操をしておけば運動してもケガが少ないというような話ですね。
具体例を挙げると、たとえば最近オンラインで取り上げられたジョークがあります。
上司と部下が電車に乗っている時の会話で
「まったく最近の若い者は何を考えてるんだ、なっとらん」
と上司が怒っているのを部下が
「いやいや部長だってまだまだお若いじゃないですか(笑)」
と返すのです。
普通だったらヒヤヒヤしたり上司を怒らせたというストレスとして処理しがちなところを、とっさの切り返しで和やかな笑いに変えるという見事なレジリエンスの例だと思います。
もう一つ例を取るなら、他のことはできるのに漢字の誤字が多い部下がいたとします。
「まったく何度教えたら直るんだ、やる気があるのか」
とイライラするのはあまりレジリエンスがありません。
「あの人はそういうところがあるし本業さえきちんとできればそれでいいか」
と、本人に注意もしつつダブルチェックの人間をつけるのがレジリエンスのある上司と言えます。
レジリエンスを鍛える方法
アメリカ精神医学会ではレジリエンスを鍛える10の方法というのを提唱しています。
レジリエンスを鍛える10の方法
1 親戚や友人らと良好な関係を維持する。
2 危機やストレスに満ちた出来事でも、それを耐え難い問題として見ないようにする。
3 変えられない状況を受容する。
4 現実的な目標を立て、それに向かって進む。
5 不利な状況であっても、決断し行動する。
6 損失を出した闘いの後には、自己発見の機会を探す。
7 自信を深める。
8 長期的な視点を保ち、より広範な状況でストレスの多い出来事を検討する。
9 希望的な見通しを維持し、良いことを期待し、希望を視覚化する。
10 心と体をケアし、定期的に運動し、己のニーズと気持ちに注意を払う。
どれもビジネスパーソンとして大切な要素ばかりですね。
特に1の「親戚や友人らと良好な関係を維持する」は分かる気がします、多少のことがあっても仲間と一緒に頑張るんだという意識があればタフに立ち向かえるように思えますよね。
ビジネスパーソンで活躍する人はここが違う
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レジリエンスがないから弱いとかダメだとか、そういう話ではないのですがやはりあった方が圧倒的に有利です。
リスク想定の考え方にも似たところがあります。
何のトラブルもないすごく安全な職場を想定している人は少ないと思いますが、それでも完成されたものを求めてしまうのでは意識がまだまだ「お客さん」の立場であるとも言えると思います。
何かはあるだろう・こんなこともあるかもしれないと先回りして色々と心配し、かといってその心配を苦にするのではなく時に笑い飛ばすこともできる人は絶対にビジネスパーソンとして伸びるはずです。
多少の傷は(トラウマとまでいかなくても)当たり前にあるだろうと考え、いかにそこから回復できるかが重要なのです。
逆に、レジリエンスを積極的に鍛えようという意識が一般に浸透すれば職場のトラブルやストレス、心労やメンタルの労災などがかなり減るように思います。
コンクリートを押し上げて咲くタンポポ、踏まれた足跡の上に伸びる雑草、そういうしなやかなタフさは強く力をかけると折れてしまう竹よりも長続きする健康なタフさだと言えますね。
まとめ
いかがでしたか?
レジリエンスについてちょっとお話させて頂きましたが、皆さんの中には「これはできている」とか「これは欠けている」という項目がいくつかあったのではないでしょうか。
もちろんそれで構いません。
なぜなら、変えられない状況を受容し(3)現実的な目標を立てそれに向かって進む(4)のも立派なレジリエンスだからです。
・レジリエンスとは強靭な適応能力のこと
・アメリカ精神医学会では10の鍛える方法を提唱している(表参照のこと)
・メンタルのダメージも想定して働ければ労災を減らすことにもつながる
ここまでお読み下さった皆さんの今後のお仕事がより良いものになることを願っております。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
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