学生が入学式・始業式、新社会人が入社式を迎えてしばらくすると、世間には毎年のように「5月病」という魔法の言葉が現れます。
そればかりか、最近では5月病だけでなく、「3の倍数」<入社後「3日め」「6日め」「30日目(5月病)」「3か月後」「3年後」など>の法則とまで言われるように、誰もが新しい環境に馴染むことの難しさを物語っています。
そもそも、「5月病」とはどのような状態を指すのでしょうか、
そして、その原因や対策について、心理学の中でも比較的新しい視点を取り上げてご紹介していきます。
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「5月病」は、新しい環境に馴染めないから起こるの?
新社会人を迎えた皆さんは現在の状態について、そして社会経験を積まれてきた皆さんは新社会人当時を振り返って頂き、下記のチェックリストをご覧ください。
気持ちの浮き沈みがある。
楽しかったことが、あまり楽しく感じられなくなった。
疲れているのに寝つきが悪い。もしくは、朝起きるのが早くなった。
うっかりミスが多くなった。
友達に会うのが億劫に感じるようになった。
思い当たる節はないが、イライラすることが多い。
さて、上記6つの項目は、5月病の代表的な症状とされています。
皆さんはこれらのうち、どの程度当てはまりましたか?
一般的に5月病とは、新しい環境(学校・職場)に馴染め切れず、知らず知らずのうちに心身に無理がたたって不調を来すようになることを言います。
新しい人間関係、社会人としてのマナーや振る舞い、覚えるべき仕事量などなど、どれもが新生活を迎える人にとって、ストレスの原因となるようなものばかりかも知れません。
しかし、本当に新しい環境に馴染めない人ばかりが、5月病になるのでしょうか。
心理学は一方で、「過剰適応」という言葉があります。
これはズバリ、新しい環境にいち早く馴染もうと考え、いつも以上に努力することを指します。
要は、頑張りすぎてしまうのです。
実は、この「過剰適応」と「5月病」の深い関係も指摘されています。
つまり、いつも以上に頑張りすぎてしまうと、本人が気づかぬまま心身の疲労が蓄積し、5月病に陥ってしまいます。
皆さんの中にも、心当たりのある方は多いのではないでしょうか。
「意志力」を効率よく発揮してみよう!
だからといって、どうしても新しい環境・生活になれば、多くの人が知らぬうちに頑張ってしまうものです。
それでは、5月病に対して何か有効な対策はないでしょうか。
最近、心理学の分野では、「意志力」という言葉が注目を集めています。
意志力とは簡単に言えば、「心の筋肉」を意味します。
身体の筋肉であれば、慣れない運動や激しい運動をした後は、筋肉痛になってしまいます。
これと同じように、「意志力=心の筋肉」についても、慣れない人付き合いや生活を続けると、心の筋肉痛となって心身にダメージを及ぼしてしまうと考えます。
そしてもう1つ、意志力は習慣の力とも言われます。
身体の筋肉に例えると、最初に激しい運動を行って筋肉痛になっても、それを定期的に続けていれば、筋肉もやがて慣れていきます。
つまり、習慣化すると、それが本人の力になります。
意志力も同じように、新しい環境・生活スタイルを自分の中で習慣化できれば、意志力を効率よく発揮して5月病にも備えられるようになるでしょう。
実践:意志力の回復と鍛錬
意志力が心の筋肉と例えられるように、これは回復させたり、鍛錬することができると考えられています!
そこで最後に、これらの方法をご紹介します。
【「意志力」の回復方法とは?】
①曖昧な目標は、数字(時間や金額)に置き換える。
②やるべきことは、あえてやりかけにしてみる。
③眠れる時には、いつでもどこでも躊躇なく眠るようにする。
④おやつには、ナッツやビターチョコレートを食べる。
【「意志力」の鍛錬方法とは?】
①生活の一部で「利き手」や「利き足」を変えてみる。
②背筋を伸ばして座るように心がけてみる。
③「絶対やる・やめる」→「後でやる・やめる」というように、物事をあえて先延ばししてみる。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
5月病の原因と対策について、「意志力」という考え方をご紹介させていただきました。
私たちが、しなやかな身体に憧れを持つことがあるように、現代社会では「しなやかな心」を作ることも求められています。
意志力の回復や鍛錬を生活のどこかで取り入れながら、5月病を上手に乗り切っていきましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
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