突然ですが、小学校に進んだばかりの子どもを持つ親御さんに質問です。
「うちの子は、友達の輪の中に入るのが難しそう」
「友達に話しかけられても、なかなか会話が進まない」
「学校の友達に直接、電話をかけることができない」
などといった悩みを抱えていませんか?
その一方で、「内弁慶」という言葉があるように、そんな彼らの多くが、学校での出来事や友達との様子などを家庭内では饒舌に話す姿もまた、見受けられるのではないでしょうか。
今回が、学校という子どもが社会デビューをする場で、うまくやっていくためのヒントについてまとめてみようと思いますので、ぜひご覧ください!
Contents
学校=社会に初デビュー
学校という場は、多くの子どもにとって初めての社会経験となります。
それまでの安心できる人間だけの世界から、見ず知らずの他者と共同生活を送らねばなりません。
これは、大人でも尻込みしてしまいかねない経験ですから、どうしても緊張したり、不安を感じてしまうこともあるでしょう。
まして、親御さんの後押しが時として、子どもには相当のプレッシャーとなってのしかかってしまうこともあるかも知れません。
そんな中、今回のテーマでもある恥ずかしがり屋な子どもが、学校でうまくいくにはどうしたら良いでしょうか?
心理学の考え方を取り入れながら、「恥ずかしがり」を克服する方法について考えてみます。
本題に入る前に、突然ですが、もう1つ簡単な質問をお出しします。
子どもの「恥ずかしい」という性質は、生まれつき備わる遺伝の影響が強いでしょうか、それとも育ちや周囲の環境の影響が強いでしょうか?
皆さんは、どちらだと思いますか?
(実は、この答えが克服方法を見つけるヒントになっています!)
正解は、「遺伝の影響」が大きいと言われています。
「恥ずかしい」という状態は心理学の言葉では「シャイネス」として良く使われています。
そして、このシャイネスについて、生後半年にも満たない乳児でも恥ずかしがる様子が観察されています。
すなわち、「恥ずかしい」という状態は、もともと人間に備わっている本能が強く働いている結果であると考えられるのです。
ということは人間の本能ということであれば、私たちにはもう何も打つ手はないのでしょうか?
本能に打ち克つためには、「適切な経験=学び」が重要!
「シャイネス」という言葉は、心理学では「性格」という概念に含まれます。
私たちの性格は、遺伝と環境の影響を受けながら、時間とともに徐々に形作られていくことが明らかになっています。
そしてもう1つ、遺伝の影響を強く受けたとしても、環境の影響によって性格は変えていけるということです。
ここで言う環境とは、ズバリ「学習(学び)」のことです!
たとえば、見知らぬ相手と会話しているときに、どうしても視線を合わせられない子どもがいます。つい恥ずかしがって視線を合わせられなくとも、その子が大人になるにつれ、大勢の見知らぬ人との会話を重ねていき、やがては堂々と人前で話せるようになることも良くあります。
つまり、もともと恥ずかしがりであったとしても、適切な経験を積んだり学んでいくことで人前に出ることへの自信がつき、シャイな性格そのものも変わっていくということです。
変わっていくために必要な学びって??
心理学においては、そうした学びについて1つ注意すべき点があります。
それは、「適切な経験=適切な学び方」を身に付けていくということです。
そこで下記に2つの代表的な2つの学び方をご紹介します。
【スモールステップ技法】
この方法は、あることを達成するまでに、いくつかの段階に区切って学んでいくテクニックを意味します。
(例)子どもが「学校の友達に直接、電話をかけられない」という場合を考えましょう。
①友達の電話番号を調べる
②電話の番号だけを押してみる
③電話する内容をメモに書いてみる
④メモの内容を口に出してみる
⑤友達に直接、電話をかける
などのように、電話をかけるまでに細かく段階に区切り、実際に子どもがそれらを順に達成できるようにします。
【暴露(ばくろ)法】
この方法は、本人が苦手なことを突然、強制的に経験させる技法です。
ただし、すぐに回避できる状況も用意します。
(例)子どもが「友達の輪の中に入れない」という状況を考えてみましょう。
この方法では、大人(先生や親)が子どもを友達の輪の中に入れてしまいます。
ただしこのとき、その大人も一緒に輪の中に入り、子どもが拒絶したり、強い不安を見せたら、速やかに元に戻していきます。
そして、このことを何回も繰り返していき、最終的に友達の輪の中に自ら入って行けるようにします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
恥ずかしいという気持ちは、遺伝(本能)と深く結びついていました。
誰もが持っている気持ちだからこそ、本人が自ら適切な学び方を身に付け、目の前の不安や恐怖を克服していくことが重要であるといえるでしょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
コメントを残す