あなたも風邪かな?と思って病院に行ったら溶連菌ですね、と診断されたことはないでしょうか?
今回は、溶連菌についてご説明していきたいと思っています。
溶連菌感染症は子供の病気とイメージしやすいのですが、実は大人でも発症することがあります。
溶連菌とは感染するとどのような症状を引き起こすのか?
その予防方法、そしてもし妊婦にうつった場合の対処法や胎児への影響についてご紹介していきたいと思います。
Contents
溶連菌・溶連菌感染症とは
溶連菌とは、溶血性連鎖球菌の略称です。
溶連菌感染症とは、この溶連菌が感染して起こる病気の総称です。
通常はA群溶連菌感染症を指します。
2~5日の潜伏期間を経て以下のような症状が出現します。
1. 発熱
…突然38~39℃の高熱が出て、頭痛・倦怠感が出現します
2. 喉の痛み
…喉が赤く腫れあがり、痛みを生じます
3. イチゴ舌
…舌がイチゴのように赤くブツブツしてきます
4. 全身の発疹
…発病後1~2日で顔や脇の下・下腹部・手足を中心に発疹が現れ
痒みを伴うこともあります。
5. 皮膚落屑(らくせつ)
…発疹などの症状が治まると手足の指先から皮がむけてくる場合もあります
溶連菌感染症の診断は、喉の赤く腫れた部分を綿棒などで擦って、迅速検査キットで判定することが出来ます。
治療には抗生物質が効果的ですよ。
ペニシリン系・セフェム系・マクロライド系の3種類が治療に主に用いられ、基本的にはペニシリン系が処方されます。
溶連菌感染症にかかっても、抗生物質を服用すれば2~3日で熱は下がり、その他の症状も消失していきますが、服用を中断すると除菌が出来ずに、リウマチ熱・急性糸球体腎炎といった重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
医師は長めに薬を処すると思いますが、自己判断で中断せず必ず最後まで飲み切ることが重要です。
溶連菌感染症の予防方法とは?
溶連菌感染症には予防接種はありません。
予防に関しては、感染している人への接触を避けることが大切です。
溶連菌が流行しやすい春から夏、冬は十分な注意が必要です。
また、感染症全般の予防でも言われている通り
●手洗い・うがいの励行
●マスクの着用
●家族が感染している場合には、同じ食器やコップ・タオルは避ける、出来れば別室対応であること
が重要となりますよ。
妊婦にうつった場合の対処
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では妊娠中の方が溶連菌にかかった場合を見ていきましょう。
A群溶連菌感染症
…症状については先述の通りです。
A群溶連菌に感染している子供に接触した後
妊婦さんに発熱や喉の痛みがあったら、直ぐに
内科や産婦人科を受診しましょう。
妊娠中に服用しても問題の無い抗生物質を処方して貰い
医師の指示に従い治療を進めます。
B群溶血性連鎖球菌(GBS:Group B Streptococcus)
…B群溶血性連鎖球菌は女性の膣や直腸にいる常在菌で
10~30%の頻度でみられます。
B群溶血性連鎖球菌が陽性でも症状が出ない場合もありますが、膀胱炎や絨毛膜羊膜炎のリスクがあり、そのことにより前期破水や早産の恐れがあります。
胎児への影響は後述しますが、妊娠中期と後期には感染の有無を調べる検査が重要です。
※妊娠中の溶連菌感染を防ぐためには、免疫力の向上が重要です。
十分な睡眠や栄養のある食事をとって、出来るだけストレスを溜めない生活を心掛けましょうね。
胎児への影響ってどうなの?
妊婦さんがB群溶血性連鎖球菌に感染したことに気付かず出産すると、母子感染により、新生児GBS感染症にかかる恐れがあります。
赤ちゃんが呼吸困難に陥ることや髄膜炎や肺炎などの重大な病気にかかり、重症化すると命に関わる恐れがあります。
主な感染のタイミングは、母体の産道からGBSが上り、胎内感染するケース・産道を通過する時に感染するケースです。
分娩時に感染するのを防ぐために、経腟分娩の場合には、陣痛が始まったらペニシリンの抗生物質を点滴投与し始め、出産が終わるまで点滴を継続することで、産道感染を防ぎます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
溶連菌感染症は、
●2~5日の潜伏期間を経て、発熱や喉の痛みなどの症状が出現し、大人も感染することがある
●通常の感染症と同じく、手洗い・うがいの励行、マスクの着用などが大切
●妊婦さんの感染には十分注意し、GBSの検査は妊娠中期・後期には必ず受ける
●もし妊婦さんがGBS陽性の場合は分娩時に抗生物質の点滴を受け赤ちゃんへの感染を防ぐ
ことが大切
溶連菌感染症の症状が疑われる場合には、早めに受診しましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
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