6大栄養素とよばれる炭水化物(糖質)・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維のうち、脂質ってとり過ぎると体によくない・・というイメージがあるのは私だけでしょうか?
ここでは脂質はどのくらいとるべきなのか?そして脂質の特徴や体の中でどんな役割を果たしているのか?についてまとめてみますね。
Contents
脂質の種類と1日に必要な良はどのくらい?
脂質にはオリーブオイルのように液体でみかけるものと、バターやマーガリンのように個体のもの2種類がありますが、代表的な成分としては以下の3つですかね~
【1】中性脂肪
【2】レシチン
【3】コレステロール
名前くらいは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
いずれも体内でとても大切な役割をはたしているんですよ。
脂質は1gで9キロカロリーとなるので、とても効率がよいエネルギー源と言われています(ご飯やパンなどのタンス化物は1gで4キロカロリーですしね~)
ただ、現代では食生活が欧米化してしまい、脂肪をたくさんとってしまうケースが増えています。
脂質を多く取り過ぎてしまうと、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病になるリスクが高まるんですよね・・・
※生活習慣病については、こちらの記事をご参考までにご覧ください~(読んだらまた戻ってきてくださいね)
https://failfastcatalyst.com/physical-health/404/
【1】中性脂肪とは?
役割:エネルギー源となる
体内で分布しているところ:脂肪組織、肝臓、血液、リンパ液
不足すると:エネルギー不足、発育不良
多く取り過ぎると:肥満、動脈硬化
【2】レシチンとは?
役割:細胞膜を構成、物質の透過を調整、神経伝達
体内で分布しているところ:脳、神経組織、血液、リンパ液
不足すると:血管が弱くなる、動脈硬化、肝機能の低下
多く取り過ぎると:特になし
【3】中性脂肪とは?
役割:細胞膜を構成、ホルモンの材料
体内で分布しているところ:脳、神経組織、肝臓、脂肪組織、血液、リンパ液
不足すると:免疫力の低下、脳出血やがんのリスク上がる危険性も
多く取り過ぎると:動脈硬化、心筋梗塞
ここで注意してほしいことがあります。
脂質の取り過ぎがよくない・・からといって、全然とらないようにするのはNGですよ~
脂質は1日に必要とされるエネルギーのうち20~25%未満がよいといわれています。
不足しすぎると肌荒れや、エネルギー不足によってすぐ疲れてしまう・・ということにもなるんですよね。
また、血管がもろくなることによる脳出血や免疫力の低下、特に子どもにとっては発育不良の原因にもなったります。
それに、脂質を構成する脂肪酸というものがあるのですが、これって体の中で作ることができません。
必須脂肪酸ともよばれているのですが、これは食事から適切な量をとるしかないんです。
脂肪酸にもいろんな種類がある!それぞれの役割や1日に必要な量は?
6大栄養素の1つである脂質を構成する脂肪酸には
【1】飽和脂肪酸
【2】不飽和脂肪酸
があるんですね。
飽和脂肪酸とは、動物性の食品に多く含まれています。
肉とか、乳製品とか、ですかね、バターやチーズとか、身近な食材で例を挙げるとするならば。
常温で固体で、40℃で解ける性質があります。
これらは、多く取り過ぎてしまうと、悪玉コレステロールや中性脂肪が増えてしまって、生活習慣病の原因となると言われています。
なので、あまりとり過ぎないことが大切になりますね。
不飽和脂肪酸とは、オリーブオイルやなたね油(キャノーラ油)や魚に含まれる油などになるのですが、大きく2つに分けることができます。
それが、
【2-1】一価不飽和脂肪酸
【2-2】多価不飽和脂肪酸(←必須脂肪酸といわれ体内で合成することができません)
になります。
一価不飽和脂肪酸(n-9系脂肪酸、またはオメガ9ともいわれます)で代表的なものが、オリーブオイルや植物油ですね。
これには「オレイン酸」がたくさん含まれていて、血液の中の中性脂肪やコレステロールを下げることに影響があります。
常温では液体で酸化しにくく、不足すると動脈硬化につながるのですが、逆に取り過ぎてしまうと肥満につながってしまうので注意が必要です。
一方で多価不飽和脂肪酸はさらに、
【2-2-1】n-3系脂肪酸(またはオメガ3)
【2-2-2】n-6系脂肪酸(またはオメガ6)
に分けられますが、いずれにしても体内で合成できない必須脂肪酸となります。
食事でしっかりとらないといけない栄養なので、「必須」脂肪酸とよばれるわけですよね。
n-3系脂肪酸には、魚の油に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、そしてしそ油やなたね油(キャノーラ油)に含まれるαリノレン酸などがあります。
キャノーラ油は一価脂肪酸にも分類されていましたが、どっちも含まれているんですよ。
こちらは脳や神経の機能維持に必要な脂肪酸で、動脈硬化の進行を抑える働きがあります。
積極的にとっていきたい脂肪酸ですな~。
常温で液体なのですが、すぐに酸化してしまうため普段の食事からとりづらい・・という欠点があるので、私なんかはサプリメントを活用しちゃっていますね。
n-6系脂肪酸には、サラダ油やべに花油やごま油など、よくスーパーでみかける油ですね。
これらには「リノール酸」とよばれるものが多く含まれています。
また、レバーや卵白に多く含まれている「アラキドン酸」もn-6系脂肪酸です。
こちらは成長発育や血圧調整などに効果があり、コレステロールを低下させます。
ただし善玉のコレステロールも低下させてしまうので、やはり取り過ぎには注意ですね。
こちらも常温で液体で、すぐに酸化するので、非加熱の料理で取り入れると効果的ですね。
私は、よくサラダとかにごま油かけちゃいますけど、そういう食べ方とか良いみたいです。
厚生労働省では、これらの脂肪酸をとるときの目安を決めているのですが、1日にとる全てのエネルギーに対して、飽和脂肪酸は7%以下、n-3系脂肪酸は2.1g、n-6系脂肪酸は10gとなっています(男性30-49歳の場合ですけどね)
脂肪酸の特徴や構造について
最後に少し専門性の高い話になりますが、脂肪酸っていろんな言葉が出てきましたが、そのあたりについては脂肪酸がどんな特徴や構造をしているのか?を知ると面白いので、少し解説しますね。
脂肪酸は基本的には、炭素と炭素が手をつないで鎖のようになっているものをイメージしてもらえればOkです。
で、手を一本ずつつないでいる状態を「単結合」といって、手を二本ずつつないでいる状態を「二重結合」といいます。
脂肪酸の中で、単結合のみのものが【1】飽和脂肪酸なんですね。
二重結合が含まれているものが【2】不飽和脂肪酸となります。
単結合のみの飽和脂肪酸は、炭素の鎖がきれいに直線状に並びます。
一方で、二重結合が含まれる不飽和脂肪酸は、二重結合の位置で炭素の鎖が折れ曲がったりするなど、曲線の状態になっているんですね。
そのため、直線状にきれいにならんでいる飽和脂肪酸は配列しやすく他のものとは結び付きづらいため、固体を維持できるなるのです(バターとかラードとか)
それに対して、折れ曲がって曲線状になってしまう不飽和脂肪酸は、きれいにならぶことができず密に結びつくことができないので液体という状態になっているのです。
また、不飽和脂肪酸では「一価」「多価」という名前が出てきましたよね?
この「価」というのは、二重結合の数なんです。
一価不飽和脂肪酸のn-9系脂肪酸は、脂肪酸の末端から「9」番目のところが2重結合に「1つ」だけなっている構造になります。
多価不飽和脂肪酸のn-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸は、いずれも二重結合が1つではなく「多」数あるんですね。
そしてn-3系脂肪酸は、脂肪酸の末端から「3」番目のところが2重結合になっているもの(その他にも二重結合が多数あります)です。
n-6系脂肪酸は、同じように「6」番目のところが2重結合になっている(こちらもその他に二重結合が多数あり)んですね。
いろんな不思議な名前が出てきた脂質ですが、このように構造を知ることで、なるほど!と理解ができますよね。
マーガリンなど加工品に使われているトランス脂肪酸とは?
最後にマーガリンや揚げ物、洋菓子や菓子パン、カップラーメンなど、私もよく食べてしまうのですが・・これらに使われているトランス脂肪酸について、少しご説明しますね。
マーガリンは植物油からできているため、動物性のバターなどと比較するとヘルシーで良く、朝ごはんにパンを食べる人はマーガリンを塗っている人も多いんじゃないかなあと思います。
ところが、マーガリンは植物油なので通常は液体なのですが、、固体ですよね?
どうやって固めているかというと、もちろん人工的な加工がされているわけですね。
で、その加工する中で脂肪酸の一部が変化した、トランス脂肪酸というものが発生していることがわかっています。
このトランス脂肪酸、体に良くない・・と言われているのです。
なぜかというと、まずエネルギー源にもならないし、細胞膜の構成成分にもならないんですね。
加えて、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増えて、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減らすことも、最近の研究で明らかになってきているそうです。
※コレステロールについての詳細は、こちらの記事でも詳しくまとめていますのでよかったらご覧ください~(そして読んだらまた戻ってきてください~)
https://failfastcatalyst.com/physical-health/669/
ただ、現代の食生活では加工品はどうしても食べるシーンがありますよね。
トランス脂肪酸を全然とらない・・という生活は正直難しいんじゃないかなと思います。
ただ、トランス脂肪酸が増えてしまうと、動脈硬化などのリスクは増えるので、そういうリスクがあるんだな、とまず知っておくことが重要ですね。
で、できることであれば先ほどふれた加工品ではない、良質の油をとるように心掛けていくことが必要ですね。
いかがでしたでしょうか?
6大栄養素の脂質について、様々な種類がありますよね。
そして、それぞれ必要な摂取量や、体内での役割や特徴について、まとめてみました。
ぜひ必要なものを食事で意識してとるようにして、不足してしまうようであればサプリメントなどで補うことが大切になりますので、参考にしてみてください!
最後まで、お読みいただきましてありがとうございます。
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